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わが社が存在できるのは、顧客に値打ちのあるものを提供するためであり、そのためには、品質とサービスの提供はもちろんだが、顧客のために無駄遣いをしてはならない」(Wトン)。
これが、W社「倹約の精神」として受け継がれているわけだ。
Wトンはこうも言う。
「わが社が1ドルでも無駄な出費をすれば、その1ドルは、顧客がサイフから出さなければならない」。
Wトンの定めた商いの規範である「顧客と同じ目線」を遵守すれば、1セントの無駄も許されない。
Wトンは10の経営原則を定め、全従業員にその徹底を呼びかけたが、そのうちのひとつに「小さな成功を祝いなさい」というのがある。
成功とは小さな成功の積み重ねによって得られるものという考え方だが、同時に「わが社は中小企業だと常に思え」とも教えた。
大企業になることによって、社会的なエゴイズムで立ち振る舞ったり、見栄えのする本社ビルや広大な重役室に何人もの秘書、高級社用車……」これらで満足してしまうことを恐れたのだ。
Wトンに言わせれば、こうしたことは大きなエゴの象徴にすぎない。
世界一の企業になってもまだ成長する秘密は、こうした倹約の精神に徹しているところにある。
麟冒扁回顧世界一になってもまだ続く倍々ゲーム。
W社は世界最大のリテイラー(小売業)にして、世界一の売上高を誇る企業であることはすでに広く知られている。
2003年1月期の売上高は2445億ドル。
日本円にして約29兆円は世界一、オーストリア1国のGDP(国内総生産)に匹敵する数字だ。
アメリカ国内の従業員数は約107万人で、これは政府関係諸庁職員に次ぐ人数だ。
来店客数は毎週約一億人、保有トラック数は4500台。
保有トラックは軍なみの台数で、むろん民間企業では世界一だ。
W社が世界一に登り詰めるまでその座に君臨したのは、戦前からの企業石油メジャーのエクソンーモービルだった。
ところが、W社が世界チャンプ獲得に要した歳月はたった40年だ。
言い換えれば、それだけ小売業は栄枯盛衰の激しい業態といえる。
何しろ20年前の世界小売業ランキングでは日本の代表選手イトーヨーカ堂が11位に顔を出していたが、W社は30位以内に入っていなかった。
40年どころか、この20年の間に怒濤の快進撃を続けてきたということになる。
しかも、現在W社は、2位のカルフールの年商8兆円を20兆円も引き離しており、ブッチギリのトップランナーといってよい。
まさに、アメリカンドリームであり、大国が束になっても追い付かないダントツの軍事・経済超大国アメリカを象徴する企業だ。
しかし、W社のすごいところは、その企業規模にあるのではなく、大きすぎる今日も高い成長率を持続しながら利益を増やし続けているところにある。
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